企画職の企画と、開発職の企画の、違いの原点 その2
才能とは(意識的にor無意識に)続けてきた習慣の積み重ね
才能という言葉の意味は「生まれつきの能力、才知の働き」だそうです。確かに、音楽や芸術などの分野において子供のころから認められる才能は生まれつきのものだと思います。遺伝が大きく影響していると思います。一方で、後天的に見につけた能力なのに、あたかも(生まれつきの)才能として開花することもあると思います。たとえば新卒として会社に入社したとき、入社直後でも同期の間に、すでに仕事力の差があります。(もちろんインターンシップなどで経験値を積んだ新卒社員は明らかに能力が高くなっているかと思いますが)全く仕事をしてきていないのに、最初っからバリバリ仕事ができてしまう新卒がたまにいます。才能ある若手新卒、見ててうらやましくなりますが、果たして生まれつきに「仕事力」を身に付けていたのでしょうか?私は、後天的に身についた能力だと考えます。たとえば、常日頃から効率良く生活することを意識して20年以上生きてきた人であれば、きっと何も意識せずに生きてきた人よりも何倍も効率的な動作ができる能力を身に付けていると思います。意識的にか、無意識的にかに関わらず、続けてきた習慣の積み重ねは能力となり、その能力を初めてアウトプットするタイミングで才能として開花するのだと思います。
エンジニア気質な人はHow、プランナー気質な人はWhy
それではエンジニアな人とプランナーな人の才能の違いは何でしょうか。私は、エンジニア気質の方は小さいころから物事が「どのように(How)」動いているのか、に興味を持って生きてきた人が多いのではないかと思います。なので子供の頃はプラモデルやミニ四駆などを組み立てるのが好きだったり、壊れた電化製品を分解して中身をみたりするのが好きだったり、そういう方が多い気がします。新しく知る出来事に対して、どんな仕組みなのか、にフォーカスして考える、その習慣を積み重ねてきていると思います。
ではプランナー気質の人は何に興味をもってきたのでしょうか。それは物事が「なぜ(Why)」起こっているのか、に興味を持って生きてきた人が多いのではないかと思います。なぜみんなプラモデルやミニ四駆が好きなんだろう?なぜそれらが楽しいんだろう?なぜこんな電化製品が生まれたんだろう? 新しく知る出来事に対して、なぜそうなったのか、にフォーカスして考える、その習慣を積み重ねてきていると思います。
これが、エンジニアの企画とプランナーの企画の違いの原点ではないでしょうか。
プランナーはマーケットイン?エンジニアはプロダクトアウト?
これまでを踏まえると、「なぜ」を意識するプランナーは市場のニーズから発想するマーケットインに、「仕組み」を意識するエンジニアはプロダクトアウトに寄りがちになります。どちらが正しく、どちらが間違っているというわけではないのですが、「どちらが得意か」というのは重要だと思います。やはり得意分野で勝負すべきですから、プランナーはマーケットを理解して企画すべきですし、エンジニアは新しい技術を踏まえて企画すべきです。この得意分野の差が、企画の違いに影響を及ぼすのは明らかですね。
【補足】リーンキャンバスはエンジニアに不向き?
最近でてきた「リーンスタートアップ」で出てくる「リーンキャンバス」では、新しい技術について埋める項目はなく(優位性の項目に「技術」を入れることはできますが、それはMUSTではないです)、むしろマーケットについての項目がたくさんあります。つまりこれはプロダクトアウトで発想するためのツールではないのです。なのでエンジニアがリーンキャンバスを使ってマーケットインで発想すると、ものすごくしょぼいものが出てきてしまう気がします(実際にそのような現場を見たことが多々あります。。)。
こういうフレームワークはとても便利な反面、そのフレームワークを利用すれば何とかなる、利用するだけで満足しちゃう、などの弊害もあるので、利用には注意が必要ですね。個人的には、プランナーとしてもリーンキャンバスには物足りなさを感じているので(これ考えたのエンジニアなんですかね?)、今後はその物足りない部分をブログにまとめて小出しにしていければと思います。
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2013/08/08 | サービス企画
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