サービス企画の作り方　その３ Insight（洞察）の見つけ方

企画者として一度テーマを決めてしまえば、Insightは自然と見つかります。あらゆる事象について、そのテーマの視点で考えると、いろいろ見えてくるようになるからです。

具体的にテーマを決める

たとえば、ファッション業界で働いていたとしましょう。

個人的にあの業界はすごく問題があるんじゃないかと思っていて、最近流行りのブラック企業は飲食店が多いですが、アパレル業界の店員、本社従業員の勤務実態を調べると、ファッション業界も結構危ういんじゃないかと。やはり、このご時世に若くて才能があるかもしれない人達を、コスト安く大量採用して使い捨てのようなことしている業態には、何かしらの問題があるようにみえます。そしてその若い才能の芽をつぶしてしまうよう業界的な慣習はとても大きな機会損失を生んでいる可能性があるので、そこを救いたいな、と思っていました。

そこでテーマを「ファッション業界の若い才能を救いたい」としましょう。

テーマを決めることで思考がフォーカスする

このテーマを決めると、「若くて才能ある（かもしれない）人」に脳みそがフォーカスします。ファッションにおける才能がある人（センスがある人）は普段どういう生活をしていて、どんな仕事をして、どんな勉強をして、どんなことに楽しんでいるのか。そうするとまず自分の近くにいる、ファッションセンスがある友人知人の顔が浮かんできます。

私のその友人はファッションセンスの良さを自他ともに認めていて、よく周りの人に「もっとこういう服着ると似合うと思うよ」というアドバイスをしていました。とても楽しそうに、とても自然に、もちろん無償で。その友人にとっては当たり障りのない普通の話かもしれませんが、ファッションセンスがない人からすると、とてもありがたい、価値ある助言なわけです。