会社が分社化してiOSアプリを譲渡する際の手続きまとめ
会社が分社化して、iOSアプリを子会社の方に譲渡する場合の手続きをまとめてみました。
iOSアプリ譲渡手続きの全体の流れ
全体の流れはこんな感じでした。
- 新会社でのAppleID作成
- 新会社のAppleIDでDeveloperProgram購入
- 親会社から子会社へアプリの譲渡手続き
では、それぞれ見ていきます。手続きを進めるために事前に準備しなければいけないものは以下です。これらを準備しながら進めましょう。
- メールアドレス(AppleIDの取得に必要)
- AppleID(今後のすべての手続きに必要)
- 会社の登記簿謄本(DUNSnumberの取得に必要)
- DUNSnumber(DeveloperProgramの登録に必要。2で取得する手順を説明。無料。)
1.新会社のAppleID作成&DeveloperProgram登録
まずは、AppleIDの作成をします。これが無いと何もできませぬ。よくある会員登録なのでサクッといきましょう。iOS DevelopperProgramの申し込みページからAppleIDの作成ができます。AppleIDの作成にはメールアドレスが1つ必要です。予め用意しておきましょう。あとで変更可能です。この時点では支払いは不要で登録が完了できます。そしてXcodeのダウンロードや各種マニュアルも見れて、開発に着手することができるようになります。つまり、Mac上でアプリの開発をするだけならお金は不要なんですね。お金が必要なのは、作ったアプリを実機にインストールしたり、AppStoreでアプリを公開するタイミングで必要になります。ひとまず開発だけしたい人はここまででOK。
2.新会社のAppleIDでDeveloperProgramライセンスを購入
1の手続きで開発は可能になりましたが、AppleIDを法人として利用し、かつ作成したアプリをAppStoreで配布するには、DeveloperProgramライセンスの購入が必要です。今回は親会社からすでに公開済みのアプリを譲渡してもらわなければならないので、このライセンスは必須になります。購入の手続きは先ほどアクセスしたiOSDeveloperProgramのページから再度行います。わかりにくいですねー。。 というわけで、DeveloperProgramのライセンス購入に進みたいのですが、その際に法人アカウントはDUNSnumberというものが必要になります。これは会社識別番号のようなものです(詳しくはこちら)。設立から数年経っているような会社ならほとんどすでにDUNSnumberが発行されているため、こちらからDUNSnumber検索できるのですが、分社化したばかりの設立間もない企業の場合、まず登録されていません。そのため、発行申請が必要です。ネットで調べると東京商工リサーチに発行依頼するやり方も出てくるのですが、それは有料になってしまいます。Apple経由で依頼すると無料なので、Appleから申請するようにしましょう。
2-1.DUNSnumber発行申請(最長1か月くらいはかかるので早めに)
DUNSnumberの発行申請は、こちらの検索フォームからやることになります。検索なんてしなくとも設立間もないのでDUNSnumberは発行されていないのだから早く申請フォームから申請したくなりますよね。ですがこの申請フォームというのは無いのです。。自分は見当たらなくてけっこう探してしまいました。このあたりもわかりにくいですよね。 検索フォームに自社(新会社)の情報を入力して検索し、結果がなければその入力情報でそのまま申請する、というフローになっているため、検索フォームが発行申請フォームなんですね。というわけで、下記2点に注意しましょう。
- 検索条件と思って適当に入れてはダメです。とくに会社名は カンマやInc.や半角スペースまで、すべて正確に入れないとだめ。
- 登記簿の住所と実際の住所が違う場合は、それぞれ正確に入力する。Headquarters Addressのところに登記簿の住所を、Mailing Addressのところに実際の住所を入力しましょう。
2-2.DUNSnumberを受け取る
問題なければ5日後くらいにメールでDUNSnumber発行したよ!と英語のメールが届きます。 問題があった場合、以下のようなメールが届きます。
We were not able to provide a D-U-N-S Number for this request. Resolution Description: Unable to Verify To resolve this issue, either resubmit your request with the additional information or contact D&B directly to assist in the verification of your business. Email: appdeveloper@dnb.com
「確かめることができなかったからDUNSnumberは提供できません。再度情報を追加して発行申請するか、直接問い合わせてね」とのことでした。なので再度フォームから発行申請すると、今度は下記のエラーとなりました。
You’ve already submitted your information to Dun & Bradstreet to create a D-U-N-S Number for your legal entity.
そもそもどうやって確かめているのかよくわからないのですが、設立したばかりだから確かめようないんじゃないかと思いまして、登記簿のPDFを添付して以下のように問い合わせました。英語は苦手なので文法は間違ってるかもしれません。。
Dear Customer Service,My name is <My Name> and I work in app development at <Company Name>.I requested D-U-N-S number last week, but my request ( ID request_number ) was rejected.I tried to resubmit, but this error screen was displayed.———-You’ve already submitted your information to Dun & Bradstreet to create a D-U-N-S Number for your legal entity.———-What does it take for me to get D-U-N-S Number?I’ve attached registration of my company to this mail.Please check and provide D-U-N-S Number.[Headquarters address of my company]<Formに入力した住所や電話番号>[Mailing address of your company/organization]
<Formに入力した住所や電話番号>
「発行申請したのに却下されて、再度申請してもこんなエラーでた。どうしたらDUNSnumberをGETできるんだい?登記簿付けたから見てくれよ!」みたいなノリですね。拙い英語ですが要件は伝わったようで、この問い合わせの翌日にサポートから返信メールがあり、「こちらで処理したから、番号発行されたらメールで届くからもうちょい待ってね!」という内容でした。実際にそこから5日後にDUNSnumberが発行されました。そのメールにはこう記載されています。「You may start using your number in 14 days.」(あなたは14日間であなたの番号を使えるようになりますよ) そう、発行されてもすぐには使えないのです。なんということでしょう。。。
2-3.DeveloperProgramのEnrollment(登録申請)
DUNSnumberが発行されると、ようやく法人としてapple Developer Program をActivationする準備が整ったことになります。 またまたiOS Developer Programのページにいき、「今すく購入」から手続きを進めましょう。「AppleIDを使ってサインイン」を選択した後、「Are you enrolling as an individual or organization?」という画面に辿りつきますので、[Company]を選択します。 自分自身の氏名、肩書き、電話番号、メアドを求められるので入力します。電話番号で気を付けたいのは、日本なので81を入れますが「+」は不要、最後にExtという欄がありますがこれは内線番号を入れろってことらしく、内線番号がなくとも「000」を入れる。なので入力すると、「81」「3-1234-5678」(電話番号が03-1234-5678の場合)、「000」(内線番号を入れる。なくても000を入れる)となります。 次に組織の情報を入れろ、という画面にきます。ここで初めてDUNSnumberが登場します。正しく組織名やDUNSnumberを入れましょう。Confirmをしてエラーになった場合は、入力内容が間違っている可能性があります。どこが間違っているのかわからなかったら、、最後の手段、Appleの日本語サポートに電話しましょう。電話番号はこちらに掲載されています。私は何度やってもここがエラーで先に進めず、サポートに電話対応してもらってようやく進めました。結局原因はよくわからないのですが、safariを使って、履歴を全部消して、再度ログインしてからやり直したら進めました。もろもろ入力が完了すると、申込みを受け付けました、というメールが来ます。そう、まだ終わりではなく、あくまで申請が完了しただけ。ここから審査が始まるのであります。。
2-4.DeveloperProgramを購入。\11800(税別)
審査の過程で、申請時に登録した電話番号宛てにAppleから電話がきます。担当者につながれば審査OKということかもしれません。電話では、今後の登録の流れと、他に不明な点ないかを聞かれました。電話の後にメールがいくので、そしたら最後の手続き(支払)へ進めます、とのことでした。実際に、電話を切ったあと1時間くらい?でメールがきてました。あとはそのリンクを辿って「iOS DeveloperProgram」を購入しましょう。画面の指示に従うだけなので、もう迷うところはありません。ちょっと「?」と思うのは、AppleStoreの購入画面を再利用しているので、購入の際に画面の下の方にある「よくあるご質問」欄に、「商品はいつ届きますか?」とか、「配送無料になるには?」とかわけのわからないことが書いてあります。今回購入する商品「iOS Developer Program」では何も配送されませんので気にせずに。。。
3.親会社から子会社へアプリの譲渡手続き
いよいよ、アプリ譲渡の手続きです。これが意外と簡単です’(笑)。親会社のアカウントでiTunesConnectにログインし、マイAppから転送したいアプリを選びます。「その他」メニューから「Appを転送」を選びます。転送するのに必要な条件がずらっと表示されますが、たいていは大丈夫だと思います。問題なければ次のページで転送先の子会社のAppleIDとチームIDを入れて、完了。簡単ですね。で、その後は受け取る側の子会社のAppleIDでiTunesConnectにログインしなおして、「規約・税金・金融」メニューを開くと、「Transfer Agreements」という項目のなかの「Contracts In Effect」という項目に、譲渡されたアプリが表示されるので、表の右側の「Review」ボタンをクリックします。あとはアプリを譲り受ける為に必要な情報を入力して完了です!マイAPPのところに表示されるようになると思います。
なかなか特殊なパターンかとは思いますが、DUNSnumberとかApp転送とかいろいろ知らなくて時間かかってしまったので、誰かの参考になれば幸いです。
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